遅刻する
テニス部で鍛え抜いた足腰の力で、私はいつものバス停へとダッシュした。
あぁ…どうして今日に限って雨が降っているのだろう。
雨のせいでバスは遅れるし、傘を持っては走れない。と、いうことで、私は、頭からつま先までびしょびしょだった。
うわ…風邪引くよ。
なんだよこの女子力の低さ。
スポーツタオルで、頭をぐしゃぐしゃと拭った。
バス停には、一人男の人がいた。あれ…、私の学校の制服…!
でも、私の最寄りのバス停を使う友達なんて、いないはずなのに…
話しかけられないうちに、バスが来た。
いつもより15分遅い、バスだ。