「寧依、行っちゃうの?」
金髪のコドモが尋ねると、寧依はうんと頷きつつスニーカーを履いた。
「大学あるからさ」
「ほぇーん」
よく分からないとでも言わんばかりに金髪のコドモは首を傾げる。
「ボクのことは連れてってくれないの?」
「え」
金髪のコドモの言葉に寧依は固まる。
「連れてくって…」
それは無理なんだけどと寧依が呟くと、えーと金髪のコドモは不満げに口を尖らせる。
「ボクのこと置いてくなんてヒドいよねーいー」
「いやいや無理だって」
そもそもあなた見た目が目立つんだし、と寧依は続ける。
「外に連れてくのはハードルが高すぎる」
だから、ごめんと寧依はツノの生えた金髪のコドモの額を撫でる。
コドモはむぅ〜とふてくされた。
「じゃ、ちゃんとお留守番してるんだよ」
行ってきますと玄関の扉を開けた寧依は、すぐに外へ出るとパタンと扉を閉め、鍵をかけてしまった。
「…」
金髪のコドモは退屈そうに床に座り込んだ。