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無銘造物再誕 Act 15

「ここに寧依がいるの?」
金髪のコドモの質問に、ピスケスはそうと頷く。
「彼女はここの学生なの」
ピスケスはそう言うと、ほら行くわよと金髪のコドモの手を引っ張る。
金髪のコドモはあ、うんと頷き、ピスケスに手を引かれて門をくぐった。
門の向こうにはレンガ造りの立派な建物や5、6階建ての建物があり、金髪のコドモの目を惹きつけた。
しかしピスケスはその様子を気にも留めずどんどん進んでいく。
暫くして2人は建物と建物の間の通りのような所に出た。
「あ」
不意に前方から声が聞こえたので金髪のコドモが前を見ると、人気のない通りの真ん中を短い赤髪でキャップ帽を被ったコドモが歩いているのが目に入った。
赤髪のコドモはピスケスと金髪のコドモに気付くと笑顔で駆け寄ってきた。
「よーピスケスー」
何してんだー?と赤髪のコドモはピスケスに尋ねる。
ピスケスはあら露夏と返す。
「この子の“保護者”を探しに来たのよ」
ピスケスが金髪のコドモの方を見ると、赤髪のコドモこと露夏はへぇと頷き金髪のコドモの顔を覗き込む。

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