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無銘造物再誕 Act 18

ピスケスと露夏が金髪のコドモを探し始めた頃、一方の金髪のコドモは黄色い蝶を追いかけてふらふらと大学構内を歩いていた。
先程ピスケスと露夏が話し込んでいる所の近くを飛んでいった蝶が気になった金髪のコドモは、ついついそれを追いかけ始めてしまったのだ。
幸い周囲を歩く人々が少ないお陰で金髪のコドモを気にする者はほとんどいなかったが、それでもコドモがふらふらと大学内を歩く姿は目立っていた。
「あ」
不意に蝶が建物の角の向こうに消えたので、金髪のコドモは慌てて建物の裏に回り込む。
そこでは建物の裏口の段差に座り込む黒髪のコドモがうたた寝をうっており、黄色い蝶が黒髪のコドモの傍に留まっていた。
「…」
金髪のコドモは目の前の光景に驚いたようにまばたきする。
暫しの間、金髪のコドモは黒髪のコドモを見つめていたが、不意に黒髪のコドモが目を開いた。
それと共に、傍の黄色い蝶がひらひらとどこかに飛んでいく。

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