「…それで、お前の名前はなんなんだ」
ナツィが不意に尋ねたので、金髪のコドモはふぇ?と聞き返す。
ナツィはお前の名前だよと強く言う。
「俺だけ名乗らせといてお前が名乗らないのはないだろ」
だから言え、とナツィは金髪のコドモを睨んだ。
金髪のコドモは…ボク?と自分を指さす。
「ボク…まだ名前ないの」
「は⁇」
テメェとぼけてんじゃねぇぞとナツィは語気を強める。
「お前だって魔力の気配があるから人工精霊なんだろ?」
名前くらいあるはずとナツィは腰に両手を当てる。
しかし金髪のコドモはないものはないの!と言う。
「ボクのマスターがね、あとでって言うから…」
「なんだそりゃ」
ナツィは呆れ顔をする。
金髪のコドモは気にせず続ける。