「隠れるぞ」
不意にそう言うと、ナツィはかすみの手を引いて近くの細い横道に駆け込む。
かすみはえっと驚くが、そのままナツィに引っ張られて建物の陰に隠れた。
「おーい2人とも〜」
暫くして、金髪のコドモはナツィたちが姿を隠した横道近くの十字路へ辿り着いた。
「どこ〜?」
金髪のコドモは不思議そうに辺りを見回すが、誰も見つからない。
ナツィとかすみは建物の陰から静かに金髪のコドモの様子を伺っていた。
「…」
暫く辺りを見回して、置いてかれちゃったかな?と金髪のコドモは不意に呟く。
「ま、探せばいっか!」
金髪のコドモはそう手を叩くと、ナツィたちがいる方の隣の角を曲がっていった。
金髪のコドモが道の奥に消えていったのを確認すると、ナツィはそっと建物の陰から出た。
「…やっとどっか行ったか」
呆れたように呟くナツィに、かすみはナツィ…とこぼす。