今日はクリスマス。
といっても、私にとってはただの平日だけど。
サンタさんが来なくなってから、もう何年も経つ。
別にクリスマスが嫌いなわけじゃない。
ケーキもチキンも大好物だし、クリスマス前の浮かれた空気だってなんだかんだ楽しんでる。
でも、今年はなんかそんな気分にはなれないんだ。
理由はわからない。
ただ、恋しいだけなのかもしれない。
もう二度と戻れない、幼い日のあのときめき…
サンタさんにプレゼントをもらえるように、ちゃんとお利口にしてたよ。
クリスマスツリーがとてつもなく大きく見えた。
ホールケーキを1人で食べるのが夢だった。
そんなことを考えていたら無性に寂しくなった。
でも私はぼっちじゃない!
なぜなら学校があるからね!
電車の中でクリスマスソング、聴いちゃうもんね。
そのまま浮き足だってスキップしながら学校に向かっちゃったりして。
一限は数学か…めんどくさいな…
急に現実に引き戻され、ため息をつきながらロッカーを開ける。
……⁉︎
一瞬何が起こったのか理解できなかった。
私の目の前には、ロッカーからこぼれ落ちた大量のお菓子。
後ろを振り返ると、したり顔を浮かべた親友の姿が。
「メリークリスマス!」
その笑顔を見て、ずっと抱えてきたモヤモヤが晴れたような気がした。
ああ、そうか…
ありがとう。
君が私のサンタクロースだったんだね。