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終末を巡る_8

嫌な予感がする。
「みつけた」
林檎がぶるるっと震えた。未知の場所で、その場所のことをよく知る者から逃走するのはかなり高難度であることは身にしみている。つまり、あの挙動不審な人間から逃げ切れるかどうかは賭けだ。
『こはく』
不安げな声を聞き、琥珀は低く喉を鳴らして安心させるように応えた。
人間の背中から生えた触手のようなものは伸びて廊下に突き刺さる。人間はぐるりとブリッジのような体勢をとって、触手を廊下に刺しながら迫ってきた。
『ひぇえ』
琥珀は急いで逃げた。腰を打ったおかげでいつもよりスピードが出ない。
「こ…ども…」
廊下は長く、完全に直線なためなかなか差がつかない。ようやく曲がり道に辿りき慌てて曲がるが、その先の道は瓦礫で潰れている。
『いきどまり!』
琥珀は唸り、逡巡する。人間はいつの間にか迫ってきていた。琥珀は振り被り、林檎を人間の背中と床の間に滑らせた。林檎は廊下をすごい勢いで滑る。
『こはく!』
『行ってろ』

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