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終末を巡る_10

琥珀は目を回している林檎を回収し、先程入らなかった適当な一室に転がり込む。
「きゅうう…」
唸る林檎を尻目に部屋を見回す。壁についているダクトを発見し、琥珀は林檎をダクト内に押し込んだ。
『…俺、思ったことがあるんだが』
『おもったこと?』
『いや、想像にすぎないんだがな…この世界が一度終わった理由って、巨大な蜘蛛にあるんじゃないか、と』
『おっきいくも?』
きゅっと身体を縮めて震えた林檎を見て、琥珀はそれ以上言うのをやめた。
_でも、あの蜘蛛。人間に寄生しているというふうでもなかったし…あれが特殊なだけか…?
考え事をしながら琥珀も林檎と共にダクトに入る。琥珀はサイズ的にかなり無理があるが、大きなダクトだったおかげで林檎の助けがあればぎりぎり通ることができた。

  • SLBM
  • 入試の時期ですが下書きはあるので投下
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