太陽の光が燦々とさす、よく晴れた午後。
海沿いの大きな街は休日故に多くの人でごった返している。
街の中心となる駅やその駅近くの商業施設も多くの人で賑わっていたが、その中に少し異質な雰囲気の一団がいた。
「ねー寧依、観覧車乗りに行こーよ!」
長髪の若い女の手を引いて、白いカチューシャを付けた短い金髪のコドモがずんずんと歩いている。
女こと寧依はまぁまぁ落ち着いてよきーちゃんと呆れたように立ち止まる。
「楽しみは最後に取っておいた方がいいんだから」
今は他の所へ行こうよ、と寧依は金髪のコドモをたしなめる。
金髪のコドモはえ〜と不満げな顔をした。
「ボクつまんない〜」
「その内楽しくなってくるかもしれないでしょ」
寧依にそう言われて金髪のコドモはそんな〜と口を尖らせた。
「じゃあナツィに連れてってもらう!」
自分のわがままが通らないと分かった金髪のコドモは、不意に傍を歩く黒髪のコドモを指さす。
黒髪のコドモことナツィはえ、俺⁈と自らを指し示し驚く。