むかし、シンデレラという名の、不幸な生い立ちの少女がいました。いつものように家事労働を終え、テラスでぼんやりしているシンデレラの前に、魔女が現れました。さあさあお嬢さん、舞踏会に出かけるよ。
豪華な装飾、長身でイケメンの王子とのダンス、ウィットに富んだ会話、初めて飲むお酒。それらすべてにうっとりとし、ぼうっとなっていると、一二時の鐘が鳴りました。シンデレラは王子の手を振りほどき、城を飛び出しました。
舞踏会の途中であわてて城を飛び出した美しく、気のきいた女性のことが忘れられない王子は、片方だけのガラスの靴をたよりに国内を探し回りました。果たして、あの夜の女性は現れませんでした。それもそのはず、シンデレラは舞踏会の二日後、地主に見初められ、結婚していたのでした。
子育てと家事労働に追われる日々。シンデレラは、ときおり片方だけのガラスの靴をクローゼットから取り出して磨き、楽しかった一夜の思い出にひたるのでした。
ぼうっとではなく、ぼおっとですね。
なんだかこっちのシンデレラの方がすてきだな、しあわせなのはどっちなんだろう(´・_・`)
幸せは、可視化数値化ができない形のないもの。だからこそ世界共通の概念として成り立っているのです。それでは、次回もお楽しみに。