0

仔鬼造物茶会 Act 12

「どう見てもお前は硫だ」
てかおれのこと覚えてないのか?と相手はキヲンの両肩に手を置く。
キヲンはだ、誰…?と困惑していた。
「おれは琅」
お前の、“家族”だと琅と名乗る人物は上着のフードを外しながら言い放つ。
キヲンはふえ…?と目をぱちくりさせる。
「かぞ、く…⁇」
「そうだよ」
同じ魔術師の手で生み出された、使い魔だと琅はキヲンの身体を揺すった。
キヲンは何がなんだか分からずポカンとしている。
琅は気にせず続けた。
「お前、去年おれたちが“学会”の奴らに追われている時に“学会“の奴らを引きつけるっておれたちの元を離れたっきり、行方不明だったんだ」
ずっと、心配してたんだぞ…と琅はキヲンの肩に置く手に力を入れる。
「他のみんなは諦めてたけど、おれだけは諦め切れなくてこの街へ来た時は絶対探し出すって決めてたんだ」
そしたら、こうして見つけられたと琅は続ける。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。