「お前と同じ魔術師の手で作られ、同じ魔術師に使役される使い魔」
ただ、それだけだと琅は呟く。
キヲンはほえーんと頷いた。
「…おれたちは、生まれた頃から一緒だった」
琅は不意に語り出す。
「おれたちの“マスター”が所属する魔術師の“組織”は、この世界で大多数の魔術師が入ってる“学会”と違って“学会”が使いたがらないような魔術についての研究や継承を主に行なっている集団だ」
琅は歩みを止めずに続ける。
「そういうことをしているから“学会”に目を付けられて襲撃されたりしてるんだけど、それに対抗するため“おれたち”は作り出された」
そうなの?と首を傾げるキヲンを気にせず琳は言う。
「“マスター”は“組織”の一員でいることに誇りを持っているから、おれたちに“組織”を守らせることにとても高い理想を持っている」
だから、と琅は急に立ち止まる。
「おれたちに厳しく接してるんだ」
その言葉にキヲンはえ、と驚く。