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仔鬼造物茶会 Act 18

「お前は硫だ」
誰が何を言おうと、なんか違う名前を付けられようと、お前は硫なんだからと琅はキヲンの肩に手を置く。
キヲンはそんなこと言われても…と困惑する。
「ボクは“キヲン”だって、寧依が名前を付けてくれたから…」
キヲンがそう言いかけた時、不意に琅の後ろから琅!と呼ぶ声が聞こえた。
琅が振り向くと、濃青色の長髪を後頭部で束ね、額の右側に1本ツノが生えた琅と同じようなフード付きジャケットを着たコドモが立っていた。
「あ、碧(ビィ)、どうし…」
「どうしたもこうしたも、どこ行ってたのよ琅!」
碧と呼ばれたコドモはツカツカと歩きながら2人に近付く。
琅はゴメンゴメンと手を合わせる。
「硫を探してたらこんな時間になったんだ」
「硫を探してたって、あの子はもう…」
碧はそう言いかけた所で、キヲンの姿を見て驚く。
「あら、あなた昼間に琅とぶつかってた子じゃない!」
どうしてこんな所に?と碧は不思議がると、琅はそりゃあ硫だからさと胸を張る。
「1番硫と一緒にいたおれが言うんだから間違いない」
琅は得意げに笑うが、碧は疑わしげに首を傾げる。

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