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Modern ARTists:威霊遣彩能媛 その②

2人が教室中央に意識を向けていると、空気中の微細な塵が渦を形成し、中央から突発的なエネルギーの奔流が溢れ出した。咄嗟に、エイリはヒトエの背中に隠れる。
「あぁー、いたー!」
渦の中央から、明るい声が投げかけられる。ヒトエが目を開くと、カミラがふよふよと浮いていた。
「こんにちはぁ、ヒトエぇ」
「こ、こんにちは、カミラ」
「そのひとだぁれ? おともだち?」
「えっと……先輩です」
「はぇ。まぁいいや。やるよ、ヒトエ」
カミラが爪を伸ばす。
「は、はいっ!」
双剣を構えたヒトエに向けて、カミラが突進する。それを迎え撃とうとヒトエが構えたその時、彼女の背後からウサギを模したマスコットのような生命体が5体飛び出し、カミラに飛び掛かった。
「にぃっ!?」
カミラはその生命体のうち2体を爪で引き裂き、1体を鷲掴みにしてそのまま吸収する。
「びっくりした……なにこれ? おともだちの?」
ヒトエの背中に隠れたまま、エイリがピースサインを示した。
「むぅ、一番弱い形態とはいえ、あっさり吸われるなぁ……。チヒロ先輩が言ってた通りだ」
残ったマスコットたちは弾むようにエイリのもとへ引き返してくる。
「後輩ちゃん。こんな狭い教室の中で大丈夫?」
「あっはい。どうにか」
「じゃ、こっちも折を見てサポートするから、頑張ってね」
「えっあっはい」

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