しかし琅はその内分かるようになる‼︎とキヲンの腕をもう片方の手でも握る。
キヲンはやめて離してと抵抗するが、いーやーだ!と琅は声を上げた。
暫くの間2人は引っ張り合っていたが、だんだん琅の方が優勢になってきた。
引っ張り合いでキヲンが弱ってきた所で、琅はほら行くぞ!と無理やりキヲンを引きずって歩き出そうとする。
だがそんな琅の頬を突然何かが掠め飛んでいった。
「⁈」
琅が振り向くと、そこには青い長髪をなびかせた白ワンピースのコドモが倉庫の屋根の上に弓矢を携えて立っていた。
「…お前は」
「ピスケス‼︎」
琅が言い終わる前にキヲンの顔がパッと明るくなる。
その瞬間近くの倉庫の屋根の上から、黒い影が大鎌を振り下ろしながら飛び込んできた。
「っ‼︎」
琅はキヲンの腕を引いたまま後ろへ飛び退く。
黒い影は地上に着地すると、大鎌を担ぎ上げ立ち上がった。