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Modern ARTists:威霊遣彩能媛 その⑫

「……カミラ?」
カミラの身体が、末端から少しずつ細かな粒子に分解され、宙に溶けていく。
「…………そっか。カミラ、おやすみ」
カミラの亡骸を強く抱きしめると、魔力に分解され崩壊したカミラの肉体は、ヒトエの傷へと吸い込まれ、損傷を補うように埋めていった。
「…………カミラ?」
虚空に呼びかけるが、答えは返ってこなかった。呆然としながらも立ち上がったヒトエに、エイリが駆け寄る。
「後輩ちゃん! 大丈夫⁉」
変身を解除し、ヒトエは答える。
「あ、エイリさん。大丈夫です。傷はカミラが埋めてくれたので……」
「そ、そうなの? 良かったぁ……本当、ドキドキしたよ」
溜め息を吐き、エイリも変身を解除した。
「……ハラハラではなく?」
「ん-……そうかも? でも、なんで治してくれたんだろうね? というか、治せるんだね」
「みたいですね……え、怪人ってそういうものじゃなかったんですか?」
「私の経験の限りでは、殺し合った相手を治癒してくれる怪人は知らないかなぁ……」
不意に、2人の背後に引きずるような足音が響いた。2人が振り向くと、黒いロングコートを身に纏った長身の男が立っていた。
「よォ、魔法少女ども。カミラが世話になったな」
男の言葉に、ヒトエは眉を顰める。
「カミラの……もしかして、【ロスト・ファンタジア】の?」
「正解。上級幹部“アラン・スミシー”。よろしく」
「えっあっはい」

  • Modern ARTists
  • 2人目の幹部
  • カミラは割とイレギュラー側なので。
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