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仔鬼造物茶会 Act 31

「わたしが、さっき“硫らしい使い魔がいた”って言ったら急にそんなことを言ってきて」
どうやらわたしたちに言うと混乱しかねないから今まで黙ってたんですって、と碧は続ける。
「…じゃあ、コイツは、硫じゃ、ない?」
「マスターの言う通りなら、そうなるわ」
震える琅に対し碧は淡々と言った。
琅は力なく座り込む。
「ただ、おれたちのことを覚えてないとかじゃなくて、そもそも“作り直された”存在だから違う使い魔…?」
なんだよソレと琅はこぼす。
「…琅」
いつまでも過去にこだわっては、前に進めないわと碧は琅に近付く。
「帰りましょう」
わたしたちの帰るべき場所へ、と碧は俯いて座る琅の背をさする。
寧依や周囲の人工精霊たちは静かにその様子を見ていたが、やがてツノの生えた人工精霊たちの傍に立つ中性的な人物がポツリと言った。
「…もう済んだか」
琅、と中性的な人物が尋ねるので、泣き腫らした琅は顔を上げる。

  • 仔鬼造物茶会
  • 今週中に多分このエピソードは終わります
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