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仔鬼造物茶会 Act 33

「…今回は、私の使い魔が迷惑をかけて申し訳なかった」
その場に残った琅たちの“マスター”は寧依に目を向けると静かに謝る。
寧依は目をぱちくりさせた。
「琅は硫だと言っていたが、その使い魔はもう私の硫ではない」
お前のものだ、と“マスター”は呟く。
「だから、琅の言ったことは気にしないでやってくれ」
では、と“マスター”は呟くと、傍に残っていた黒髪でツノの生えた使い魔と白髪でツノの生えた使い魔に玖(チゥ)、珂(クゥ)、行くぞと声をかけて琅たちの去っていった方へ歩き出す。
2人の使い魔は了解と答えて“マスター”に続いた。
「…」
残された寧依と人工精霊たちの間に沈黙が降りた。
しかしハッと我に帰った寧依が、きーちゃんとキヲンに目を向けた。
キヲンは寧依の方を向くとにこっと笑顔を見せた。
「寧依」
よかった、寧依が…とキヲンが言いかけた時、寧依はキヲンに抱きついた。
「ごめんねきーちゃん」
急に謝られて、キヲンはふ、ふぇっ⁈と驚く。

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