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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑨

わたし達が不思議な事を言う少年と遭遇してから暫く。
わたし達はショッピングモールを出て寿々谷駅近くの商店街へ向かい、裏路地に入っていく。
師郎に腕を引かれるあの少年は、度々師郎にどこへ行くんですか?と尋ねていたが彼はまぁ黙ってついて来なさんなと言うばかりだ。
わたし達ですら師郎の意図が掴めないまま、わたし達は裏路地を進んでいた。
「着いたぞ」
やがて少年を連れた師郎が立ち止まって言ったので、わたし、ネロ、耀平、黎は足を止める。
「ここは…」
ホオジロ商店?と少年は目の前の建物の看板を見上げて呟く。
師郎はそうだなと頷いた。
「ここは俺達の溜まり場…駄菓子屋だ」
「はぁ」
少年はポカンとする。
「…今、どうしてこんな所にと思っただろ」
「ふぇっ⁈」
師郎の振り向きざまの発言に、少年は飛び跳ねる。

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