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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑩

「ど、どうして分かったんですか⁈」
「いや、なんとなく」
そんな気がして、と師郎は笑う。
少年はうえぇぇ…とうろたえるが。師郎は気にせず、入るぞと言って駄菓子屋の中に入った。
わたし達もそれに続く。
様々な商品が台の上や棚の中に並んだ駄菓子屋の中は、休日という事もあって寿々谷のコドモたちで賑わっており、その中には見覚えのある2人組もいた。
「あれ、もしかして…」
わたしが2人に気付いて声をかけた時、その内の1人…蝶の刺繍の入った紫のスカジャンに、長髪で丸メガネをかけた少女が振り向いた。
「あら、あなた達」
死霊使いとその仲間とセットの常人じゃない、とメガネの少女こと穂積が言う。
その言葉に反応して、彼女と一緒にいる雪葉もこちらを振り向く。
「どうし…って、そこにいる少年は誰なのよ」
穂積はふと師郎に連れられている少年に気付いて目をやる。
少年は驚いたように師郎の陰に隠れた。

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