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魔法少女学園都市レピドプテラ -small cabbage white- 2

午後3時半、今日の授業が終わって多くの生徒たちが教室を去る頃。
櫻女学院の中等部2年1組の教室もまた、今日の授業を終えた生徒たちが去ってがらんとしている。そんな中、髪を二つ結びした少女・ラパエはリュックサックを背負って教室をあとにした。
「“学園”ってこんな感じなんだ〜」
「広いし綺麗だし、すごーい」と独り言を言いながら、ラパエは校舎の階段を下り、下の階の廊下を歩いていく。
「きっと素敵な魔法少女がいっぱいいて、賑やかな環境なんだろうな〜」
ラパエはそうスキップしながら進むが、不意に立ち止まり辺りを見回した。
「…あれっ?」
「ここ、どこ…?」とラパエは不安げな顔をする。自分は校舎の玄関に向かっていたはずなのに、今は同じような教室がいくつも並ぶ廊下に立っている。1階まで下りたはずなのに、別のフロアで下りてしまったのだろうか。
ラパエはここがどこか分かる手がかりはないかと辺りを見回す。しかし壁に貼ってある掲示物や教室の入り口に下がっている教室名が書かれた看板を見ても、ここが何階なのかは分からなかった。
「わたし、迷子になっちゃったのかな…?」
ラパエは不安そうに俯くが、ここで不意に背後から「おや?」と誰かの声が聞こえてきた。ラパエが振り向くと、そこには黒いパーカーを羽織り髪をポニーテールにした、スポーティーな印象で高校生くらいの少女が立っていた。
救世主が現れた、と言わんばかりにラパエの顔は明るくなる。

  • 魔法少女学園都市レピドプテラ
  • 1日に3回ずつ投稿することで
  • 金曜には全部終わる…はず
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