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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑪

「こ、これは…ちょっと色々あって」
わたしが慌てて説明しようとすると、穂積はちょっとって何よと腰に手を当てる。
しかし不意に彼女は…もしかして、と呟く。
「あたし達の同族⁇」
「えっ」
彼女の言葉にわたしは思わずポカンとする。
「同族って、さすがにそれは」
「だって”気配”がするじゃない」
「ふぇっ?」
わたしは思わず少年の方を見る。
少年は相変わらず師郎の陰からこちらの様子を伺っていた。
それに対し、師郎は上着のポケットに両手を突っ込んで真顔でこちらを見ている。
「…ね、ねぇネロ、もしかしてあの子って」
「なぁお前ら」
わたしが近くにいるネロに尋ねようとした時、不意に師郎がそう言いだした。
どういうこととわたしは言おうとしたが、わたしたちにいつの間にか近付いていた師郎はにやりと笑う。
「ちょっと店の外出てくんない?」
その有無を言わさぬ表情に、わたし達はうなずかざるを得なかった。

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