師郎に店の外に出てくれと言われてから数分。
わたし達は駄菓子屋の店先で話し合っていた。
「…なるほど」
つまりあの少年は彼がなぜか連れ回しているだけなんだね、と駄菓子屋近くの電柱にもたれながら雪葉は呟く。
「まぁそんな所だな」
ボクらにもよく分かんないんだけど、とネロはココアシガレットを咥えつつ座り込む。
雪葉はふーんと頷いた。
「それにしても穂積、あの子が異能力者だなんてよく分かったね」
わたしがふと穂積にそう話しかけると、彼女は当たり前じゃないと呆れる。
「異能力者同士は気配で互いを察知できるのよ」
気配がしたら分かって当然じゃない、と穂積は続けた。
わたしはそうだったね…と苦笑いした。
「…でも、大分変な感じの気配だったわ」
あの子の、と穂積が言い出したので、わたしはえ?と聞き返す。
「それって…」
この間のあま音さんみたいな?とわたしが聞くと、穂積はいやと否定する。