「えっ、なに⁈」
真っ白な煙の中、ラパエは慌てて周囲を見回す。グッタータとシーアもなにが起きたのか分からず立ちすくむが、サルペだけは冷静に首のペンダントについた水色で六角柱の宝石のようなアイテム……メディウムを握りしめる。その次の瞬間、煙の外から光る弾丸が飛んでくると共にサルペの周囲から光が放たれた。
「⁈」
光が止んでからラパエ、グッタータ、シーアの3人は恐る恐る顔を上げる。彼女らの目の前では黒と水色のサイバーパンク風ファッションに身を包んだサルペが手を前に出して光の壁を展開していた。
そして彼女の数メートル前方の校門の前には、青紫の軍服のような服装に身を包むボブカットの少女がマシンガンを携えて立っていた。
「久しぶりだね」
サイア、とサルペは相手を睨みつける。サイアと呼ばれた少女はああ、そうだなと淡々と答える。
「まさかお前がこんな所にいるとは思わなかったが」
我々の邪魔か?とサイアは尋ねる。サルペは「いや、ボクはなにも知らないね」と返す。
「あの学園を去ったボクにとって、キミたち諜報員の動向は最早無関係だよ」
サルペはそう続けるが、サイアはそうかと呟く。
「……なら、そのバリアを解除してほしい」
我々はそこのピエリス ラパエに用があるんだ、とサイアはラパエに目をやる。ラパエは驚いて目を見開いた。
「あ、あたし……?」
なんで……⁇とラパエは困惑する。その言葉に驚いてグッタータとシーアもラパエに目を向けた。
「理由は今ここで言えないが、ピエリスさんには我々についてきてもらいたいのだ」
だから頼むとサイアはサルペの目を見る。暫くの間その場に沈黙が降りたが、やがてサルペが口を開く。
「……残念ながら、ボクにはそれができない」
その言葉を聞いてサイアはなぜ?と聞き返す。