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魔法少女学園都市レピドプテラ -small cabbage white- 10

「有力な学園同士だと小競り合いがあるってことは聞いたことあるけど、うちみたいに大した力もない無名の学園が急に襲われるなんて聞いたことないよ……」
グッタータは不安げに身を震わせた。
一方ラパエは困惑しているような顔をしている。それに気付いたシーアは、大丈夫かラパエと声をかけた。
「あ、ごめんなさい」
多分あたしのせいでこんなことになっちゃったんですよね……とラパエは俯く。シーアは「アンタは悪くないよ」と肩に手を置くが、ラパエは違うんですと首を横に振る。
「あたし、実はここに来る前は外の世界のテロ組織みたいな所で、大人たちのいいように使われてたんです」
あたしの魔法は人を傷つけるのに向いているから、それで目をつけられてずっと……とラパエは続ける。シーアとグッタータは何も言えないまま話を聞いていた。
「だけど、魔法が使える女の子はみんな“魔法少女学園都市”っていう魔法少女の街に行けるって聞いてたから、いつかそこに行けると信じて生きてきたんです」
それでひと月前、組織が国際警察に壊滅させられた時にあたしは保護されて、それでここへやって来たんですよ、とラパエは言う。
「あたし、レピドプテラに憧れてたから、とっても素敵な楽園みたいな所だと思ってたけど、ここでもあたしのせいで人が傷ついて……」
どうしてこんなことに……とラパエは声を震わせる。その様子を見てシーアとグッタータはかける言葉を見つけられなかった。
「ぐっ!」
ラパエたちが黙り込んでいると、不意に玄関口にサルペが転がり込んでくる。それを見てラパエは、サルペ先輩!と思わず駆け寄る。シーアとグッタータも駆け寄ってきた。
サルペはみんな……と呟きながら立ち上がろうとするが、魔力弾でつけられた脚の傷が痛んで思うように立ち上がれない。ラパエは「先輩無理しないで!」と声をかけるが、サルペはいいやと拒否する。

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