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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑭

「琳(りん)、俺はともかくとして耀平はそんなに怖くないんだからビビらなくていいだろ」
なぁ?と師郎は琳と呼んだ少年に笑いかける。
少年は相変わらず顔を背けたままだったが、ここでネロが立ち上がりながら琳?と首を傾げる。
「それがコイツの名前?」
「ま、そうだな」
師郎は自分の陰に隠れる琳という少年に目を向けつつ答える。
「鹿苑(しかぞの) 琳、小学5年生…さっき本人から聞き出した所によるとだな」
師郎がそう言うと、琳くんはパーカーのフードを被って顔を隠した。
「…」
わたし達はその様子を見て思わず何も言えなくなってしまうが、師郎は気にせずまぁまぁお前さん達と言った。
「ちょっと駄菓子でも食べつつ話をしようや」
師郎はそう言って明らかに駄菓子が色々入っているであろうビニール袋を掲げてみせる。
わたし達は思わず顔を見合わせた。

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