「⁈」
サイアが困惑したように自らの腕を見ると、透明な手が自身の腕を掴んでいることに気付いた。
「お前は‼︎」
サイアが声を上げると、その透明な手の持ち主がはっきり見えるようになった。赤いロリィタ服を身に纏った三つ編みお下げのその少女……ピレタは、サイアの腕を無理やり玄関の床に押さえつける。
「私たちの学園で騒動を起こすなんて、リーリアメティヘンシューラの魔法少女も酷いものね」
ピレタがそう呟くと、サイアは彼女を睨みつける。
「……櫻女学院の生徒会長、チタリアス ピレタか」
そう言うと、サイアはピレタの手を振り解こうとする。だがピレタは逃がさないわとサイアの腕を掴む力を強める。
「あなたは私たちの学園生に危害を加えようとしたのだから、総務局に来てもらうわよ」
堪忍なさいとピレタは言う。その言葉にサイアはそうかいと答えて、抵抗をやめた。