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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑮

そういう訳で、わたし達は穂積や雪葉と別れてショッピングモールに戻ってきた。
あまり人気のない休憩スペースに向かい、テーブルの上に先程師郎が買ってきた駄菓子を広げて、わたし達はあの琳という少年に色々と聞き始めた。
「…なぁお前さん、何でショッピングモールの中を走ってたんだ?」
誰かに追われている感じでもなかったみたいだが…と師郎はスナック菓子に手を伸ばしつつ尋ねる。
琳くんはえっと…とオドオドしながら目を逸らす。
それを見て師郎はあ、と続ける。
「さっき言ってた、”色んな感情がなだれこんでくる”って言葉と何か関係があるのか?」
「うっ」
師郎の言葉に琳くんはびくついた。
「やっぱりそうか」
師郎はそう言って腕を組む。
「お前さん…何かが自分の中に顕われそうなんだな」
なるほどなるほどと師郎はにやにやする。
琳くんはどういうことか分からず困惑し、わたしもその意味を理解できず隣に座る耀平にどういうこと?と尋ねる。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
  • おととい投稿し忘れたので今日投稿です
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