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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 23.キリン ⑳

「お前さんがどう考えてるかは知らんが、それを持っているという事は心から姉貴を憎んでいる訳じゃないだろうな」
…そうだろ?と師郎は腕を組む。
琳くんは暫く自分の目の前のキーホルダーを眺めていたが、やがて顔を上げてそうかもしれないとうなずいた。
「なら、ちゃんと姉ちゃんの勇姿を見届けてやるべきだと思うぜ」
師郎がそう言うと、琳くんはうんと明るく返した。
「…ぼく、行ってくるよ」
姉ちゃんのライブに、と琳くんはイスから立ち上がる。
師郎はそうだなと笑った。
「もうそろZIRCONのライブが始まるし…」
しかし師郎がそう言いかけた時、不意にうふふふふふと高笑いが聞こえた。
わたし達が声のする方を見ると、休憩スペースの入口の辺りにツインテールで白いワンピースを着た少女が立っていた。
「アンタは!」
ヴァンピレス‼とネロが立ち上がって声を上げる。
その言葉と共に耀平、黎、師郎は身構え、わたしもいつでも立ち上がれるよう準備する。
しかし琳くんはえっ誰⁇と彼女を見て困惑していた。

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