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円環魔術師録 7

カウンターの奥の部屋はかなり広く、様々な機械が置かれている。
その部屋の中心に位置する台の上には、煌々と光る大きなランプが置かれていた。

「さぁ、先ずはあんただ兄ちゃん。魔力操作を解いて、ランプの取手を握ってみな。」
「魔力操作?えっと…はい。握りました。」

魔力操作を解け、と言うエルの言葉に、若干怪訝な顔をしつつ、ミルがランプの取手を握る。
その瞬間、

「…!うわぁ、凄い…!」

ランプの中の蝋燭が、物凄い勢いで燃え始めた。
更に、色が先程までの無色な炎ではなく、軽く青みがかった灰色の炎に変化した。

「…はぁ〜、こりゃ良いモン持ってんなぁ兄ちゃん。任しとけ、あんたの魂にぴったりの杖を作ってやる。」
「やっぱり。私の見立て通りだね。ミルくん、低級魔術訓練は来週まで。再来週からは特殊魔術の座学にしようか。」
「え?た、魂?来週?」

混乱しているミルを置き去りに、好き勝手に話し出す二人。
そのうち、もう良いよ、とリンネに声をかけられ、ミルはそっとランプから手を離した。

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