ある少女が目を覚ました、私は何をしてたっけ、と思いながら体を起こした、「とりあえず、顔を洗う...か」、そして洗面台の前に立った、その顔は、あの従者と瓜二つだった、違うのは目の色が赤ということだけだ、「はぁ...すっきりした...」、彼女は、目覚めた部屋に戻った、部屋にあったナイフに手をかけて、太ももにあるホルスターにナイフをしまった、「今日もやるか...」、彼女はどこかへと向かった...
従者は悩んでいた、今日は、新月の日、生け贄は何にしようか...、お嬢様ったら、久々のパーティーだからって、張り切りすぎですよぉ...、うーん、どうしよう...
少女は、とあるバーにいた、獲物を探していた、裏の世界の者なら、彼女を見たら、まず、畏怖の目を向けるだろう、彼女は、独りだった、だから、あの快楽に堕ちてったのだ、彼女には感情が無かった、いや、正確には、欠落していたのだ、ふと彼女は何かに呼ばれた気がした、「獲物もいないし、まぁいいか...」、そう呟き、そのバーを後にした...
従者は、あの、禍々しい巫女と契約を交わした場所にいた、彼女の手には、紅茶のカップが握られていた、彼女の淹れる紅茶は絶品だった、あの巫女が表れた、ギリギリで侵食を免れている様子だった、従者はそこに紅茶の入ったカップを置いた、巫女は、完全に侵食されていた、禍々しき巫女 は、猛り狂った、「足りん、もっとよこせ!」、「今日はこれが限界なのです」、「ならば...沈めてやる...こい!我が僕よ!」、そこに、あの少女がいた、従者は戦慄した、そこにいたのは、狂気に満ちた自分だったのだから...