「…誰だ」
人影は電柱の陰からキヲンに尋ねる。
「え、誰って」
キヲンが思わずこぼすと、人影は…なんだよと不満そうに言う。
「名乗らねぇのか」
「あ、でも知らない人に名前を教えちゃいけないって」
「アンタ小学生か」
キヲンの言葉に人影は突っ込む。
「明らかに魔力の気配がするってことは、アンタも人工精霊だろ」
人影がそう聞くと、キヲンはあ、うん…と頷く。
「ていうか、アンタ“も”ってことはキミは…」
キヲンが聞き返すと、あぁと人影は言って電柱の陰から出る。
「うちも人工精霊だ」
その人物はボロ布のような外套を身に纏っており、背丈はピスケスより少し小さいくらいだった。
キヲンはその人物の言葉に驚く。
「…そう、なの?」
「まぁな」
その人物は頷く。
「それにしてもアンタ、どうしてこんな所に迷い込んだんだ?」
ここはうちらのナワバリなんだが、とその人物は腕を組んで尋ねる。
キヲンはえっと、と上を見上げる。