「…ねぇ、よかったらでいいんだけどさ」
キヲンは不意に相手に尋ねる。
相手はなんだ?と聞き返す。
「ボクのこと、大通りまで案内してくれないかな?」
「…は⁇」
キヲンの言葉に相手は素っ頓狂な声を上げる。
「なんでうちがアンタに付き添わなきゃいけないんだ」
「あ、嫌ならいいんだよ、嫌なら」
でもボク1人で大通りに出られる自信がなくて…とキヲンは恥ずかしげに頭を掻く。
相手は少しの間考えるように黙り込んでいたが、やがていいよと返した。
キヲンはその返事にホント?と聞き返す。
「あぁ」
まぁこの辺りの地理には詳しいしなと相手は頷く。
「それにこの辺りは“商会”のナワバリだから、明らかな部外者のアンタが1人でうろちょろするのは危ないし」
うちが付いていた方がいいかもしれない、と相手は呟く。
キヲンはその言葉に引っかかりを覚えたが、まぁいっかと思い、ありがとう!と返した。