「キャス」
トゥイーディアと呼ばれた人工精霊がどうしたんだと尋ねると、キャスと呼ばれた人物はソイツ誰だよと2人の元へ近付いてくる。
「コイツ?」
ただの迷子だけど、とトゥイーディアはキヲンに目をやりながら答える。
「ふーん」
キャスはキヲンの顔を覗き込む。
キヲンはフードで顔がよく見えない相手に不気味さを覚えたのか少し後ずさった。
「なんだよ、おいらのことが怖いのか」
キャスがそう不服そうにキヲンから顔を離すと、トゥイーディアはアンタの治安が悪いからだろと言い返す。
その言葉にキャスはうっせぇと吐き捨てた。
「…にしても、コイツ本当に迷子なのか⁇」
キャスが不意に呟いたので、トゥイーディアは決まってるだろと返す。
だがキャスはいや、と顎に手を当てる。
「コイツから魔力の気配がするぞ」
「いや当然だろ」
コイツも人工精霊なんだから、とトゥイーディアは腰に手を当てる。