「にしちゃ、今時人工精霊が街中で迷子になるなんてことあるか?」
「あるだろそれくらい」
「ちょっと怪しいな」
「怪しむなよ」
キャスとトゥイーディアは暫く押し問答を続ける。
キヲンはなんだか不安げな顔をした。
「…まさか、“学会”のスパイってことはないだろうな?」
キャスがキヲンの顔を見ながら言うので、トゥイーディアはそんな訳あるか!と言い返す。
「大体本当にスパイだったらもっとこう…うちらにバレないように行動するだろ!」
それにこの子は迷子なんだぞ⁈とトゥイーディアは続ける。
「スパイが自分のことをわざわざ迷子だって言ってうちらに近付くとかリスクあり過ぎだろ‼︎」
トゥイーディアはそう言い切るが、キャスはお前、本当にそうだったらどうすんだよと低い声で言う。
トゥイーディアは、は?と首を傾げる。