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飛龍造物茶会 Act 14

「キャス、お前疑い過ぎ」
「本当にコイツが“学会”のスパイだったら、おいらたちどんな目に遭わされるか分かんないんだぞ⁈」
ちょっとは考えろよ!とキャスは声を上げる。
その言葉にトゥイーディアは暫し黙り込むが、やがて、そんなの知らないと呟く。
「…うちは、これでもずっと地べたに這いつくばって泥水啜るような日々を過ごしてきたんだ」
お前の、お前らの、“商会”に引き取られて、少しは自由に過ごせるようになって、それでもうあんな目には遭いたくない、誰かに同じ目に遭わせたくないって思うようになったんだよとトゥイーディアは震える声で続ける。
「だから、うちは、コイツは悪い奴なんかじゃないただの迷子だって信じてんだ‼︎」
トゥイーディアはそう叫ぶと、キヲンの手を取って大通りに向かって走り出した。
「…」
キャスだけが、静まり返る路地裏に取り残された。

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