「なっ…行きなさい、お前たち‼︎」
男はそう言ってキャス含む人工精霊たちにナツィたちを追わせるが、そうはさせない‼︎と物陰からキャップ帽を被った赤髪のコドモが包丁を構えて飛び込んでくる。
だが男の目の前に魔力でできた壁が生成され、赤髪のコドモの攻撃が弾かれた。
「っ!」
コイツ、まさか自分の身体に術式を仕込んでいるのか‼︎と赤髪のコドモこと露夏は声を上げ、後ずさる。
「…あぁそうだ」
我々は“学会”とは違って、大胆な魔術も使うからなと男は地面に落ちた魔力式銃を拾いつつ答える。
そして露夏に魔力式銃を向けた。
露夏は包丁を相手に向け、得物に魔力を込めて赤い火球を打ち出す。
しかし男の前に魔力障壁がまた生成されて弾かれた。
男はその隙に魔力式銃のトリガーを引こうとするが、上空からやーっ‼︎と声を上げながら誰かが飛び込んでくる。
男が反応するよりも前にその誰かは手に持つ荷物を振り下ろした。