「すっげぇなぁ、でけぇよ。あっちゅうまにこんな所だし」
走る私の肩に乗りながらノアがそう言った。
街はすでに見えない程遠い、前線からも近いから爆発音が木霊していた。
「ま…まぁな。それよりもう少し…だ…?うん?」
私のレーダーに何かが反応した、何だ?
何かとてつもなく大きな…エネルギーの塊のような…まさか…!?
「どうした?」
「…マズイな」
考えなくても感じる根源的な恐怖
こんな反応など一つしかない、間に合わなかった!
私はいつの間にか、頭が指示を発するより前に走っていた。
「わ…わわっ!どうしたどうした!」
そのまま私の降下してきた船に飛び込んで起動していた。
「なんなんだこれ!ソロウ、何をすんだ!」
「惑星軌道を脱出する!ヤツが…ヤツが来た!■■■■■が!」
「な…なんだって?」
「この星は喰われる!■■■■■に!」
正直、私自身パニック状態であった。
私とて魂に刻まれた恐怖には抗えない
船が浮く、確か亜高速航行は一回分ならあったはず
だが、船が飛び上がることはなかった。
それどころか、逆に地面に押し付けられるような…
「なんだ!」
「う…うげぇ…助け…」
ノアが船の床にに押し付けられている、まさかと思い計器を見ると重力異常だった。
「この星でそんなことが…?」
仕方なく、出力をエンジンからバリアに回して外に出てみる。
そこには数人のアヴァスが散開しているのが見えた。
「お、出ててきた。アリエヌス…には見えないな、君エイリアン?火事場泥棒とは節操がないなぁ」
この時間がないときに…
「何だお前たちは」
「フェネクス、泥沼のアナスただいま参上!さぁ、奪ったものを返してもらおうか!」