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回復魔法のご利用は適切に!_9

「いたいのいたいのとんでけ〜」
ふわふわした声でシオンが唱えるたびに、エリザベスの怪我から痛みが引き、傷がふさがっていく。
「…どう?痛くない?」
「ええ!ありがとうございます、もうすっかり治りましたわ!早く逃げましょう」
元気よく答えたエリザベスに頷きを返し、シオンは彼女をまた抱える。
「えっ!!!お、下ろしてくださいまし!治りましたわ!?」
「病み上がりの人は無理しちゃだめだよ!大丈夫、下を目指すくらいならリサちゃんを抱えたままでもいける」
シオンが立ち上がった瞬間、水が凄まじい勢いで教室を貫通した。黒板に付着した水がじわじわと形を成し、人型実体となって出てくる。
「うわぁ…すごい執着だなぁ」
「に、逃げましょう!私たち防御魔法が使えませんから圧倒的不利ですわ!」
「うん、どうにかしなくちゃね」

  • また飛ばしました
  • 魔法少女学園都市
  • 企画参加もしたいこの頃
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