ヴァンピレスに遭遇してから暫く。
ネクロマンサー以外のわたし達5人は、元来た道を戻りつつ走っていた。
とにかく人通りの多い場所に出られればヴァンピレスは攻撃してこないだろうという事で、人の多い大通りをわたし達は目指しているのだ。
「…アイツ、何で急に襲ってきたんだ?」
細い道の交差する所で立ち止まりつつ、耀平が不意にポツリと呟く。
「え、それは、わたし達をたまたま見かけて…」
わたしがそう言いかけると、耀平はまぁそうなんだろうけどと振り向く。
「最近そういうの多いから気になるんだよなぁ」
耀平がそう言うと、確かになと師郎はうなずく。
「たまたまかもしれんが、アイツは妙に俺達を襲いまくってるよな」
暇なのかねぇ…と師郎が後頭部に両手を回し、その隣の黎は静かに頷く。
そこで、ねぇと霞さんが声を上げた。
わたし達は彼の方に目を向ける。
「さっきのあの子って…」
霞さんがそう尋ねると、耀平があぁアイツ?と返した。
「アイツはヴァンピレス」
この街で他の異能力者の異能力を奪って周ってるやべー奴だ、と耀平は前を向いて歩き出す。
それを聞いてわたしは驚いた。