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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ -Japanese Robin- 2

「それでは、本日の授業はここまで」
「みんな、宿題はちゃんとやっておくように」と言って、教室から教官が去っていく。それを見届けてから、教室内にいる色とりどりの服を着た少年たち…アヴェスたちは椅子に座ったまま近くの席の者と会話を始めたり、荷物を鞄にまとめて教室から去っていったりと、思い思いに動き始めた。
そんな中、教室の窓際の列の一番後ろの席で橙色の詰襟にバルーンパンツを履いたアヴェスは窓の外に広がる青空を見つめていた。
「……アーカ‼︎」
どんっ、と机を叩く音で橙色の詰襟のアヴェスはハッと我に返る。彼が思わず机を叩いてきた人物が立つ自身の左側を見ると、茶色と鳶色の千鳥格子模様のケープと白いパフスリーブシャツ、そして茶色いバルーンパンツとベレー帽を身につけたアヴェスが机に手をついていた。
「……」
橙色の詰襟のアヴェスは、相手に黙って冷たい目を向ける。しかし相手のベレー帽のアヴェスは、気にせずニコニコ笑っていた。
「どうしたの? ずぅっと外眺めちゃって」
「授業がつまんなかった?」とベレー帽のアヴェスはその場にしゃがみ、机に頬杖をつき始める。橙色の詰襟のアヴェスは「別に」とまた窓の外を見る。
「ただ物思いにふけってただけ」
「へぇ〜! 物思い‼︎」
ベレー帽のアヴェスはなぜかきらきらと目を輝かせる。

  • 空想少年要塞都市パッセリフォルムズ
  • 1日に2回投稿すれば2週間で完結する…はず
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