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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ -Japanese Robin- 3

「なに考えてたの⁈」
「放課後のこと? 今日の晩御飯? それとも……」とベレー帽のアヴェスは矢継ぎ早に尋ねる。しかし橙色の詰襟のアヴェスは「そんなんじゃないし」と外を見たまま呟いた。
ベレー帽のアヴェスは相手の言葉を気にせず話を続けていたが、その途中で「トログ! アカ!」と廊下の方から声が聞こえてきた。二人が廊下の方を見やると、空色の地に黒いストライプが入ったジャケットとズボン、白い立ち襟シャツを身につけたメガネのアヴェスが立っていた。
「あ、クリス!」
「どうしたの〜?」と、ベレー帽のアヴェスは手を振る。クリスと呼ばれたアヴェスは、どうしたのじゃねぇしと教室内に入ってくる。
「今日は放課後にみんなで訓練するんだろうが」
「お前が提案したんだろ、トログ」とクリスは腰に手を当てる。それを聞いて、トログと呼ばれたベレー帽のアヴェスは「そうだった!」と手を叩いた。
クリスは「忘れんなよ」と呆れたように呟く。
「とにかく、荷物まとめてさっさと行くぞ」
「トログ、アカ」とクリスは言って教室から去っていく。「今から準備するから待っててよー」とトログは声をかけると、橙色の詰襟のアヴェスに「行こう! アカ」と笑いかけた。
アカと呼ばれたアヴェスは、「まぁ、うん」とぎこちなく頷いた。

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