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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ -Japanese Robin- 9

「アカ‼︎」
近くでレヴェリテルム“Reginae Gladio”を構えていたトログがそう声を上げると、先ほどアリエヌスを両断した人物ことアカはちらと彼の方に気付いて、刀型になっているレヴェリテルム“Aurantico Equus”を握り直す。それを見たクリスは「おい」とマシンガン型に変形させたレヴェリテルム“Caeruleum Diadema”を担いでアカに近付いた。
「アカ、一体どこ行ってたんだ」
「心配したんだぞ」とクリスはアカの襟首を掴んで尋ねる。アカはなにも答えず、それを見ているトログは「ちょっとクリス落ち着いてよ〜」と慌てる。
「ボクたちも出撃命令があったのに上に上がるまで時間がかかっちゃったから……」
「そうじゃない!」
トログの擁護に対し、クリスはそう声を上げる。トログは一瞬驚いて動きを止め、モザやロディも驚いたような顔をする。クリスは続けた。
「勝手な行動で死なれちゃ困るんだよ‼︎」
「もしそうなったらどうするんだ……!」とクリスはアカの目を見る。アカは相変わらず無言のままだ。
「俺は、俺たちは……もう仲間を失いたくないんだ」
「だから1人で勝手に行かないでくれ」とクリスは声を震わせる。トログ、モザ、ロディはその様子を静かに見ていたが、アカは「……そんなの」とポツリと呟く。
「自分には関係ない」
「そんなの!」
「関係ないものは関係な……」
クリスの言葉をアカが遮った時、「危ないっ!」とトログの叫び声が聞こえた。2人がハッとして辺りを見回そうとした時、そばで甲高い金属音が響く。

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