「……アイツ」
「なんで行っちまうんだよ」とクリスは呟く。トログ、モザ、ロディも驚いてその様子を見ていたが、クリスのモザとロディを呼ぶ声に2人は彼の方を見やった。
「お前らアカを追いかけてくれ」
「えっでもクリスは……」
クリスの言葉にモザは問いかけるが、クリスは「俺とトログのことは気にすんな」と遮る。
「とにかくアカを追いかけてやってくれ」
「あのままだと、ルベみたいになるかもしれない……」とクリスはこぼす。その一言にモザとロディはハッと息を飲む。
「……わ、わかった!」
そしてモザは頷くと「行くぞ、ロディ‼︎」とロディに声をかける。ロディは「うん」と頷く。そして2人は天蓋を蹴って宙に舞い上がった。
「…行くぞトログ」
クリスは2人が飛び立ったのを確認すると、トログに声をかけて立たせる。そして肩を貸して2人は壁の出入り口の方へ移動し始めた。