「お前、どうして⁈」
「アカ1人に囮を任せられなくって、追いかけてきたんだ」
アカの問いに、トログはそう答える。
「さっきの作戦を念話で聞いたとき、ボクは天蓋の上から親玉アリエヌスを倒す担当を任されたけど、やっぱりアカを放っとけなかった」
「だから来た」とトログはアカの腕を握りしめる。「でも……」とアカは言いかけるが、トログは「でもじゃない!」と遮った。
「ボクたち、アカに要塞都市の案内まだしてないから」
「だから、行こう!」とトログは声を上げる。
「一緒に‼︎」
その言葉に、アカは静かに頷く。そしてアカは再度レヴェリテルムに念じてトログと同じ位置にふわりと浮き上がり、レヴェリテルムを銃器型に変形させて上空のアリエヌスたちに向ける。アカがレヴェリテルムの引き金を引くと極太の光線が放たれ、トログの作り出したエネルギー障壁もろともアリエヌスたちを消し飛ばした。
自身の周囲を固めていたはずのアリエヌスたちを倒された親玉アリエヌスは、戦っていたアヴェスたちを気にせず金切り声を上げてアカとトログの方へ飛び立つ。先ほどの光線を撃ったアカは咄嗟に宙を蹴って親玉アリエヌスに向かって飛び、レヴェリテルムの銃口を向ける。しかし先ほどの攻撃など今回の戦闘による負担が大きくレヴェリテルムを持つ手が震える。このままでは、とアカが思うが、アカに追いついたトログがレヴェリテルムを持っていない方の手で“Aurantico Equus”を支える。ちらとアカの顔を見て頷いたトログを見て、アカは思い切りレヴェリテルムの引き金を引いた。
“Aurantico Equus”の銃口からはまばゆいばかりの閃光が放たれ、一瞬にして親玉アリエヌスの元へ到達する。親玉アリエヌスは抵抗する間もなく、激しい閃光に包まれた。