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黑翆造物邂逅 Act 7

「雨宿り、していったら…?」
カシミールがそう自信なさげにこぼすと、相手はジト目でカシミールの方を振り向く。
「あ、嫌だったらいいんだよ、嫌だったら」
今うちのマスターは出かけてるし、帰ってきたら帰ってきたで言えばいいだけの話だし…とカシミールは慌てて付け足す。
その様子に相手はまた前を向き、そしてこう呟いた。
「…分かった」
お前のところで雨宿りする、と相手は呆れたように言った。
その言葉にカシミールは、え…と驚く。
「別に、お前に情けをかけてるとかそういうのじゃないからな」
これは俺自身が決めたことなんだから、と相手はなんだか恥ずかしそうにカシミールの方を見た。
カシミールは…うん、と嬉しそうに頷いた。

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