「…それにしても、言いにくそうな名前だね」
「え」
カシミールの思わぬ言葉に、ナハツェーラーはぴくりとする。
「あ、え、いや、なんかすごい名前だから…」
カシミールは慌てて釈明するが、ナハツェーラーは別にいいだろ…となんだか恥ずかしそうにした。
「俺だって望んでこういう名前になったつもりないんだし」
あんまり人間に呼ばれたくない、とナハツェーラーはぼそっと言う。
それを聞いたカシミールは、じゃあ、なんて呼ばれたい?と尋ねた。
「え…」
それは、別になんでもいいというか…とナハツェーラーは急にもじもじし始める。
それを見たカシミールは、じゃーあー、と笑う。
「ナツィ」
その言葉に、ナハツェーラーは動きを止める。
カシミールは続ける。
「名前が長いから、ナツィって呼ぶ」
カシミールのその一言に、ナハツェーラーは目を見開く。
「な、つぃ…」
「うん」
カシミールは頷いた。