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黑翆造物邂逅 Act 11

「その代わり、自分のことは好きなように呼んでいいよ!」
カシミールじゃちょっと長いし、とカシミールはテーブルから身を乗り出す。
ナハツェーラーもといナツィは少し困惑したのち、じゃあ…とカシミールの方を見た。
「かすみ」
かすみがいい、とナツィはポツリと呟く。
カシミールは目をぱちくりさせた。
「べ、別にいいだろ」
お前が好きなように呼んでいいなんていうから、とナツィは部屋の窓の方を見る。
カシミールはうん、と嬉しそうに頷いた。
「…って、そういえば、その上着脱がないの?」
話がひと段落したところで、カシミールことかすみが不意に尋ねる。
ナツィはびくりとした。
「いや、建物の中にいるのに脱がないのかなーって」
かすみが何気なく笑うと、ナツィは思わず、そ、それは…と慌てる。
「別にいいだろ」
「そう?」
ナツィの言葉にかすみは首を傾げる。

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