0

黑翆造物邂逅 Act 16

「ナツィ…⁇」
かすみが思わずこぼすと、そのコドモは手に持つ大鎌を音もなく消す。
そしてかすみに大股で近寄ってきた。
「…なんで追いかけてきたんだ」
「えっ」
相手に聞かれてかすみはポカンとする。
コドモは1つため息をついた。
「帰るって言ったのに、なんでついてきたんだよ」
コドモに顔を覗き込まれて、かすみはえーと…と目をぱちくりさせる。
「だって、雨降ってるし…」
「俺はいいって言っただろ」
あと見ての通り俺は人間じゃないんだし、とナツィは背中の翼を消す。
「心配をする必要なんかないんだよ」
ナツィはそう言ってかすみの襟首を掴む。
しかしかすみは…それでもと呟いた。
「きみのことが心配だから来たんだ」
かすみは続ける。
「自分にとって初めてできた友達だから、なにか抱え込んでるなら放っとけない」
だから追いかけてきたの、とかすみは言い切る。
ナツィはなんだよソレ…と呆れるが、かすみは、ねぇと尋ねる。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。